事例一覧へ戻る
事例アウトドア用品製造販売記事中に記載なし新潟県三条市1990年代後半~更新: 2026/6/20 11:32

株式会社スノーピーク

この事例の概要
社名
株式会社スノーピーク
業種
アウトドア用品製造販売
所在地
新潟県三条市
従業員・事業所数
記事中に記載なし
ストーリー

なぜスノーピークのテントは10万円でも飛ぶように売れるのか?

主人公

スノーピークと山井太社長

目標

価格競争から脱却し、顧客と深くつながることで持続的に成長するアウトドアブランドを確立する

障害
  • 安価な製品が主流のアウトドア市場
  • 卸売中心の旧来型ビジネスモデル
  • ブームに左右されやすい業界の特性
売り方の5W2H — 何を変えたか
?Why — なぜこの売り方に変えたのか

キャンプ用品業界の過酷な価格競争と、卸売中心のビジネスモデルがブランドの世界観を顧客に直接伝えられないという課題がありました。顧客のニーズが単なるモノだけでなく、特別な体験やライフスタイルへと変化する中で、スノーピークは自社の高品質な製品を正当に評価してもらい、顧客との長期的な関係性を築くことで、持続的な成長と他社との差別化を図る必要があったのです。

Before(変更前)After(変更後)
Who
売り手
卸売業者、販売代理店エンドユーザーであるキャンパー(=ファン)
What
売り物
キャンプ用品(モノ)キャンプを中心としたアウトドア体験、ライフバリュー(コト)
When
タイミング
キャンプシーズン前年間を通じたイベントや日常的なライフスタイルの一部として
Where
売り場
アウトドア用品店、スポーツ量販店直営店、ECサイト、自社キャンプフィールド
How
売り方
卸売を通じて間接的に販売D2Cモデルで顧客と直接つながり、コミュニティを形成しながら販売
Before

金物問屋として創業後、高品質なキャンプ用品メーカーへ転身。品質は高いものの、主な販売チャネルは卸売であり、ブランドの世界観を直接顧客に伝える機会は限られていた。他社との価格競争やブームの影響を受けやすい状況にあった。

After

D2Cとコミュニティ戦略により、単なる用品メーカーから「ライフスタイルブランド」へと昇華。高価格帯にも関わらず熱狂的なファンに支持され、コロナ禍のアウトドアブームも追い風に驚異的な成長を遂げた。キャンプという体験そのものを売るビジネスモデルを確立した。

導入前の課題

キャンプ用品業界は安価な量販店モデルが主流で価格競争が激しく、卸売中心のビジネスではブランドの世界観を顧客に直接伝えられず利益率も低かった。アウトドアブームの波に左右されやすい業界構造の中で、他社との差別化と持続的な成長モデルの確立が課題となっていた。

採用したアプローチ

「自らもユーザーである」という理念に基づき、徹底的に品質にこだわった高価格帯の製品を開発。卸売から直営店・ECを中心としたD2C(Direct to Consumer)へ移行し、顧客との直接的な関係を構築。「モノ」ではなく「体験」を売ることを重視し、キャンプイベントなどを通じて熱狂的なファンコミュニティを形成した。

他社が真似する際の学び

  • 価格競争から脱却し、高品質・高価格のブランドを確立する重要性。
  • D2Cモデルにより顧客と直接つながり、LTV(顧客生涯価値)を最大化する。
  • 製品(モノ)ではなく、体験やコミュニティ(コト)に価値を見出す。

おわりに

スノーピークの事例は、目先の売上やシェアを追うのではなく、顧客と深く長期的な関係を築くことの価値を示唆します。D2Cへの転換と徹底したブランド哲学が、熱狂的なファンを生み出し、持続可能な成長モデルを構築する鍵となりました。

出典

https://toyokeizai.net/articles/-/425863

同じ業種の他の事例

酒造業
金井酒造店
創業154年の金井酒造店は、業績不振と後継者不在という深刻な課題に直面していました。業務管理においては紙文化が根強く、全社でメールアドレスが1つしかないなど、基本的なITインフラすら不十分な状態でした。これにより、SaaSツールの導入も不可能であり、社内外との連携が必要なプロジェクト管理は非効率的で、「仕事のための仕事」が増加し、従業員エンゲージメントの低下も懸念されていました。先行き不透明な時代において、組織のアジリティー(変化への対応力)が欠如している状態でした。
EC・通販
株式会社北の達人コーポレーション
当初は北海道の特産品を扱うECサイトを運営していたが、多品目を扱う「ECデパート」型では大手との競争が激しく、差別化が困難だった。利益率も低く、価格競争に陥りがちなビジネスモデルから脱却し、高収益体質を確立する必要があった。
ヘルスケア・フィットネス
RIZAPグループ株式会社
従来のフィットネスクラブは、入会しても継続できずにやめてしまう「幽霊会員」が多く、利用者が成果を出しにくいという構造的な課題を抱えていた。高額なパーソナルトレーニングは一部の富裕層向けというイメージが強く、一般に普及するにはハードルが高かった。