オイシックス・ラ・大地株式会社
食材宅配の会社が、なぜ「献立を考えなくていい生活」を売って1000億円企業になれたのか?
オイシックス・ラ・大地と「Kit Oisix」開発チーム
食材を届けるだけでなく、献立作りや調理の負担を軽減し、顧客の豊かな食生活を総合的に支援する
- ⚔既存の食材宅配ビジネスとのカニバリゼーション
- ⚔毎週新しいメニューを開発し続ける生産体制の構築
- ⚔食材の廃棄ロスを抑える需給予測の難しさ
顧客が安全な食材を求めていても、「献立作成や調理の手間が面倒」「届いた食材を使いきれない」という根本的な不満があることに着目しました。単に食材を届けるだけでは継続的な満足が得られないため、これらの負担を軽減し、より手軽で豊かな食卓を実現するソリューションを提供することで、顧客の生活を豊かにし、サービスの利用頻度と満足度を高めることを目指しました。
| 軸 | Before(変更前) | After(変更後) | |
|---|---|---|---|
Who 売り手 | 食の安全・安心を重視する、時間に余裕のある主婦層 | 共働き世帯など、食の質と利便性(時短)を両立させたい忙しい現代人 | |
What 売り物 | 有機野菜や無添加食品といった「食材」 | 必要な食材とレシピがセットになった「ミールキット」というソリューション | |
When タイミング | 毎週決められた曜日に一括で届く | 毎週、必要なものだけを自由に選んで届けてもらう | |
Where 売り場 | (変化なし)自宅 | (変化なし)自宅 | |
How 売り方 | 選ばれた食材セットを定期的に受け取る | ミールキットや食材を、ECサイト上で自由に組み合わせて注文する |
「作った人が自分の子供に食べさせられるもののみ」をコンセプトに、安全・安心な有機野菜や無添加食品を定期宅配するサービスを展開。食の安全意識が高い層から支持を得ていたが、顧客体験の面ではまだ改善の余地があった。
ミールキット「Kit Oisix」の成功により、単なる食材宅配業者から「食のソリューションカンパニー」へと進化した。時間的・精神的な負担を軽減するという新しい価値を提供することで顧客層を広げ、忙しい現代人の食生活に欠かせないインフラとしての地位を確立した。
導入前の課題
安全な食材を宅配するサービスは便利だが、顧客にとっては「毎週の献立を考えるのが面倒」「届いた食材を使いきれない」といった負担があった。単に食材を届けるだけでは顧客の根本的な課題解決にはならず、利用の継続率や満足度向上に限界があった。
採用したアプローチ
「食材」を売るモデルから、献立を考える手間や調理の負担を解決する「ソリューション」を提供するモデルへ転換。その核として、20分で主菜と副菜が作れるミールキット「Kit Oisix」を開発。時短と豊かな食卓を両立させる価値を提供し、サブスクリプションサービスの魅力を高めた。
他社が真似する際の学び
- •顧客の「不便」「面倒」といったペインポイントを解決することが、新たな価値を生む。
- •モノ(商品)からコト(ソリューション)へと提供価値をシフトさせる。
- •サブスクリプションモデルは、常に顧客を飽きさせない新しい提案を続ける努力が不可欠。
おわりに
オイシックスの事例は、顧客が口にしない潜在的なニーズ、すなわち「献立を考えるのが面倒」という課題を発見し、見事に解決した点に成功の本質があります。自社の提供価値を「モノ」から「コト」へ再定義することで、新たな市場を切り拓くことができる好例です。
