面白法人カヤックの「アイデアを生み出す組織文化」の秘密:ブレストで関係の質を高める
面白法人カヤックの執行役員・管理本部長である丹治拓未氏が、同社のユニークなアイデア創出の秘訣を解説します。良いアイデアを生み出すには、発想法やテクニックだけでなく、組織内の「関係の質」を高めることが重要です。カヤックでは、量にこだわるブレストを通じて、参加者が自由に発言できる雰囲気を作り、結果として質の高いアイデアが生まれる「成功の循環モデル」を実践しています。良いアイデアを求めるあまり、評価モードになり沈黙してしまう会議室の現状に警鐘を鳴らし、組織内の「関係の質から回る循環」をいかに作るかがカギだと提唱しています。
この記事のポイント
- 量にこだわるブレスト: アイデアの当たり外れを探すことが真の目的ではなく、発言回数を増やすことで「自分も言っていいんだ」という安心感(関係の質)が生まれます。
- 思考の可動域の拡大: 安心感が生まれることで、参加者の思考の幅が広がり(思考の質)、具体的な行動へと繋がりやすくなります(行動の質)。
- アウトカム重視: アウトプット(出てきたアイデア)だけでなく、アウトカム(人と関係性の変化)を重視することで、自然と良い結果が副産物としてついてきます。

面白法人カヤックのキャリアと文化
面白法人カヤックでは、社員が毎年新しい役割に挑戦する文化があります。例えば、デジタルマーケティング出身者が経営企画やM&A、管理本部長を務めるなど、一般的な会社では考えられないような人事異動が頻繁に発生します。これは、お酒が飲めない人がお酒のプロジェクトを担当したり、デザイナーが人事課長になったりするような多様な働き方を許容する文化が根付いているためです。
このユニークな文化の中心にあるのが、創業以来続けられている「ブレスト(ブレインストーミング)」です。カヤックのブレストは、単なる発想テクニックではなく、「ブレストを通じて良いアイデアをつくれる組織になる方法」に焦点を当てています。
「良いアイデア」が出ない組織の課題
多くの企業で「良いアイデアをどう出すか」が課題とされていますが、発想法やフレームワークを学んでも会議で実践できないケースが少なくありません。これは、アイデアの「つくり方」以前に、組織のあり方に問題がある可能性があります。
組織開発の概念「成功の循環モデル」によれば、組織の成果は「関係の質→思考の質→行動の質→結果の質」という循環で生まれます。しかし、「今日は良いアイデアを出そう」という目標から入る会議は、評価モードに陥りやすく、参加者の発言が減り、思考が守りに入り、結果として無難な結論に収束し、良いアイデアが生まれにくくなります。
カヤックのブレスト:関係の質を高める装置
カヤックのブレストが機能する理由は、発想法そのものよりも、「関係の質」から循環を回す装置として機能している点にあります。
- 量にこだわるブレスト: アイデアの当たり外れを探すことが真の目的ではなく、発言回数を増やすことで「自分も言っていいんだ」という安心感(関係の質)が生まれます。
- 思考の可動域の拡大: 安心感が生まれることで、参加者の思考の幅が広がり(思考の質)、具体的な行動へと繋がりやすくなります(行動の質)。
- アウトカム重視: アウトプット(出てきたアイデア)だけでなく、アウトカム(人と関係性の変化)を重視することで、自然と良い結果が副産物としてついてきます。
良いアイデアを生む組織をつくる3つのポイント
「良いアイデアをどう出すか」という問いを、「関係の質から回る循環を、自分の会社のどこにつくるか」と捉え直すと、以下の3つのポイントが重要になります。
- 循環を回し始める最小の場をつくること(隙間): 小さな単位で良いので、関係の質を高める場を設けること。
- 回転を助ける関わり方をすること(場づくり): その場で人々が自由に交流し、発言できるような環境を整えること。
- 小さくても循環を回し続けること(文化): 一度きりでなく、継続的にこの循環を維持し、組織文化として定着させること。
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