事例2026/9/17
関西外国語大学、異文化間コミュニケーション能力と世界市民意識の育成に関する研究論文発表
結論(先に要点)
関西外国語大学の姜京守教授らの研究チームが、外大生432人を対象とした調査結果を分析し、異文化間コミュニケーション能力と世界市民意識の育成に関する論文を発表しました。この研究では、異文化間コミュニケーション能力が世界市民意識を高める上で、他者への「共感」が「行動できる自信」よりも重要であること、そして「社会的な支援」がその結びつきを強化することが明らかになりました。キャンパス内で異文化接触が日常的に行われている環境下での分析であり、教育機関が学生を支援する仕組みづくりの重要性を示唆しています。
この記事のポイント
- 異文化間コミュニケーション能力:世界市民意識を直接高めるだけでなく、「異文化共感」を通じて高めることも判明しました。
- 「できる」自信よりも「共感」:世界市民意識の育成において、「うまく振る舞えるという自信」(異文化自己効力感)を経由するよりも、「他者への共感」(異文化共感)という情動的な経路が中心的な役割を果たすことが示されました。
- 社会的な支援の重要性:留学や海外滞在の経験だけでなく、家族・友人・大学教職員からの「社会的な支援」が世界市民意識を直接高め、さらに異文化間コミュニケーション能力が世界市民意識へと結びつく効果を強めることが明らかになりました。

研究概要:異文化間コミュニケーション能力と世界市民意識
関西外国語大学の姜京守教授(外国語学部)らの共同研究論文が、韓国日本近代学会の学会誌「日本近代学研究」第92輯に掲載されました。この研究は、外大生432人を対象に統計分析を行い、「異文化間コミュニケーション能力」(Intercultural Communicative Competence)が「世界市民意識」(Global Citizenship)の育成にどのように影響するかを調査したものです。
■主な研究結果
- 異文化間コミュニケーション能力:世界市民意識を直接高めるだけでなく、「異文化共感」を通じて高めることも判明しました。
- 「できる」自信よりも「共感」:世界市民意識の育成において、「うまく振る舞えるという自信」(異文化自己効力感)を経由するよりも、「他者への共感」(異文化共感)という情動的な経路が中心的な役割を果たすことが示されました。
- 社会的な支援の重要性:留学や海外滞在の経験だけでなく、家族・友人・大学教職員からの「社会的な支援」が世界市民意識を直接高め、さらに異文化間コミュニケーション能力が世界市民意識へと結びつく効果を強めることが明らかになりました。
■外大生の異文化接触の実態
調査によると、関西外国語大学の学生は日常的に異文化と接触する機会が多いことが分かりました。
- キャンパス内での異文化接触:約5割の学生が「キャンパス内で異文化に接触」すると回答しました。
- 外国人の友人:8割近くの学生が「外国人の友人がいる」と回答しています。
- 海外経験:ほぼ半数の学生が海外滞在経験を、4割強が留学経験を持っています。
これらの結果から、関西外国語大学の学生が自然な形で国際交流を行っている実態が浮き彫りになりました。
■課題点と提言
分析により、学生は異文化に対して受容的で共感性が高い一方で、異文化空間で適切な行動ができるという自信(異文化自己効力感)や批判的意識は相対的に低いという課題が示されました。これを受けて、論文では以下の点を提言しています。
- 学習設計:異文化共感を中核とした学習設計が有効であること。
- 支援の整備:学生が周囲から受ける「社会的な支援」のうち、情緒的な支えだけでなく、留学や国際交流の機会、手続き、身近なロールモデルの情報提供などの「情報的支援」、そして具体的な行動への道筋や伴走、相談体制などの「行動的支援」を戦略的に強化すること。
特に支援については、「気持ち」にとどまらず、メンタリング制度や支援につなぐ仕組みづくりなど、「仕組み」として形にすることが重要であると指摘しています。
参考リンク
- 元記事URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000128.000151397.html
- 関西外国語大学公式サイト: https://www.kansaigaidai.ac.jp
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