読売広告社・田中龍一氏が提唱する「旗印発想」とは? クリエイティブディレクションの核心に迫る
読売広告社のクリエイティブディレクター田中龍一氏は、広告やキャンペーン施策において、チームやクライアントが同じ方向を目指すための「旗印発想」が重要だと語ります。この発想は、短い言葉やキャラクターなど、皆が納得・共感できる強いコアを設定することで、ブレずに明確なコミュニケーションを設計し、プロジェクトを成功に導きます。キャラクターを用いた事例として、三菱自動車「デリカミニ」の「デリ丸。」などが挙げられ、キャラクターが企業資産として愛着体験を生み出す可能性を示しています。
この記事のポイント
- 目的: チームやクライアントが同じ方向を目指し、迷わずにプロジェクトを進める。
- 利点: 軸となる旗があれば、周囲の意見に振り回されず、ブレることなく進めることができる。プロセスが明快になり、楽しめる。
- サッポロビールの「GOLD STAR」では、「ヱビスと黒ラベルのいいとこどり」という言葉と3色で価値を表現し、明快なコミュニケーションを設計。

読売広告社・田中龍一氏の「旗印発想」クリエイティブディレクション
読売広告社のクリエイティブディレクター田中龍一氏(2025 クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリスト、クリエイティブセンター長)は、広告やキャンペーン施策を進める上で、「旗印発想」を重要視しています。これは、チームとクライアントが共通のコア(旗印)を共有し、迷わずにプロジェクトを進めるための考え方です。
チームとクライアントをひとつにする「旗印発想」
田中氏が提唱する「旗印発想」とは、施策の核となる「旗印」を掲げることです。この旗印は、短い言葉、色、形、あるいはキャラクターなど、皆が「これだ!」と納得・共感できる強いものであるべきだとされます。
- 目的: チームやクライアントが同じ方向を目指し、迷わずにプロジェクトを進める。
- 利点: 軸となる旗があれば、周囲の意見に振り回されず、ブレることなく進めることができる。プロセスが明快になり、楽しめる。
- 具体例:
- サッポロビールの「GOLD STAR」では、「ヱビスと黒ラベルのいいとこどり」という言葉と3色で価値を表現し、明快なコミュニケーションを設計。
- 自社のVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)開発では、「これまでの価値」と「これからの価値」を旗にした。
デザインも企画、企画もデザイン
田中氏はデザイナーとしてのキャリアを経て、企画の重要性に気づきました。しかし、その過程で「デザインも企画、企画もデザイン」という信念に辿り着き、自身の得意なことをベースにクリエイティブスタイルを確立しています。
キャラクターが「分断」を超え、「愛着体験」を生む
田中氏は、キャラクターを「生きる旗印」と表現し、短期的なバズで終わらず、育てて拡張することでビジネスに貢献する重要性を説いています。キャラクターは理屈ではなく感覚的な愛着力で、価値観の「分断」をつなぐ力があると信じられています。
- 三菱自動車「デリカミニ」の「デリ丸。」:
- 商品と愛着を掛け合わせたキャラクターとして設計。
- 成約特典として等身大ぬいぐるみが提供され、新しいカーライフ体験を提供。
- ファンイベント、グッズ、タイアップ、絵本化など、多岐にわたる展開で愛着が浸透。
- BtoB企業での活用:
- 発電機メーカーのデンヨーでは、製品の形や色をキャラクターに落とし込み、製品の認知度向上や社員の会社への愛着を促進。
- 東急住宅リースグループでは、新しいVIやパーパスの社内浸透、社員エンゲージメント向上のためのキャラクターを作成。
- サンリオとJリーグ:
- サンリオの「みんななかよく」とJリーグの「フェアプレーの精神」の親和性からコラボレーション。
- ハローキティのリボン(なかよしのしるし)をJリーグ全60クラブそれぞれに作成し、プロジェクトの旗印とした。
キャラクターはブランドらしさが詰まった愛着を持てる存在へと育てていくことで、企業に資産として蓄積されていく「旗印」となります。
「交差点」「広場」のような組織を目指す
クリエイティブセンター長として田中氏は、チームメンバーとはフラットな関係を築き、一人ひとりの「得意技」を活かせる組織を目指しています。多様な得意技を持つクリエイターが行き交う「交差点」や「広場」のような場所が理想であり、人が生き生きと働くことが何よりも大切だと考えています。AIの進化により手法は変わるものの、「人に届くものを人が作る」という本質は変わらないという考えのもと、自身もプレイングマネージャーとして現場での挑戦を続けています。
参考リンク
- 元記事URL: https://www.advertimes.com/20260925/article557855/
- 株式会社読売広告社: https://www.yomiko.co.jp
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