事例2026/8/30
消費者庁への審査請求6件がすべて却下、紅麹関連事案での「プベルル酸」用語使用根拠巡る請求
結論(先に要点)
株式会社薫製倶楽部が消費者庁に対し行った6件の審査請求が、令和8年8月28日付で全て却下されました。これらの請求は、令和6年の紅麹関連事案において消費者庁が「プベルル酸」という用語を用いた情報発信の意思決定過程に関する行政文書開示請求に端を発しています。却下の理由は、「処分に該当しない」または「対象処分が消滅した」というもので、請求内容の当否は判断されませんでした。
この記事のポイント
- 対象: 公文書監理官室(CRO室)、食品衛生基準審査課、食品表示課への説明要求への回答。
- 経緯: 当社は不開示決定の理由について各担当課に説明を求めましたが、実質的な説明はなされませんでした。当社はこれを審査請求の対象となる「処分」(行政庁の行為によって国民の権利義務に直接影響を与えるもの)に該当すると主張しました。
- 裁決の理由: 裁決はいずれも「担当者への説明要求に応答するか否かは、審査請求人の権利義務に変動を生じさせない事実上の行為にすぎず、処分に該当しない」として、内容の当否を判断せずに却下しました。

消費者庁に対する審査請求6件がすべて却下
株式会社薫製倶楽部が消費者庁長官に対して行った6件の審査請求が、令和8年8月28日付の裁決書により、全て却下されたと発表しました。
この審査請求は、令和6年の紅麹関連事案において、消費者庁が消費者向けの情報発信(注意喚起やQ&Aなど)で「プベルル酸」という用語を使用したことの意思決定過程に関する行政文書開示請求(受付第情13号・16号・17号)が出発点となっています。
6件の審査請求の内容と却下理由
審査請求は性質の異なる2つのグループに分けられます。
■グループ1:担当課への説明要求に対する却下
- 対象: 公文書監理官室(CRO室)、食品衛生基準審査課、食品表示課への説明要求への回答。
- 経緯: 当社は不開示決定の理由について各担当課に説明を求めましたが、実質的な説明はなされませんでした。当社はこれを審査請求の対象となる「処分」(行政庁の行為によって国民の権利義務に直接影響を与えるもの)に該当すると主張しました。
- 裁決の理由: 裁決はいずれも「担当者への説明要求に応答するか否かは、審査請求人の権利義務に変動を生じさせない事実上の行為にすぎず、処分に該当しない」として、内容の当否を判断せずに却下しました。
■グループ2:対象処分の消滅による却下
- 対象: 当初の不開示決定(消食表第319号・消食基第187号)。
- 経緯: 審査請求が係属している最中の令和8年8月7日、処分庁(行政機関)が自ら不開示決定を取り消し、公表に関する決裁文書を開示する旨の再開示決定を行いました。この通知が同月10日に到達しました。
- 裁決の理由: 争いの対象であった不開示決定そのものが消滅したため、裁決は内容の当否を判断せずに却下しました。
説明を求めていた内容の背景
当社が一貫して説明を求めていたのは、以下の2つの公文書間にある齟齬(食い違い)についてです。
- 消費者庁の各不開示決定の理由: 「『プベルル酸』という用語を用いた部分は、いずれも厚生労働省から提出のあった資料を配布したもの又は厚生労働省の配布資料等から引用したもの」であり、当庁において意思決定過程に関する行政文書を作成・取得していない、と説明。
- 厚生労働省の回答: 「令和6年の紅麹関連事案において、『プベルル酸』を原因物質として位置付け、公表した事実はない。そのため、当該意思決定過程に関する行政文書は作成・取得しておらず、実際に保有していない」と説明。
消費者庁は厚生労働省の資料を引用したと述べる一方、厚生労働省はプベルル酸を原因物質と位置付けた事実はないと回答しており、当社はこの食い違いについて、消費者庁が何を根拠にプベルル酸の用語を配布・引用したのか公文書上たどれない状態であるとして、説明を求めていました。
リリースにおける留意点
- 本リリースは、受領した裁決書6通の記載内容に基づく事実の紹介です。
- 「不開示」「保有していない」は文書保有の有無に関する行政上の回答であり、科学的知見一般の存否についての判断ではありません。
- 裁決及び各不開示決定の当否についての法的評価は、当社の見解であり、確定した司法判断ではありません。
- 因果関係及び違法性に関する断定的な判断は述べていません。
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