事例2026/9/8
施設園芸の高温被害、約7割が繰り返し影響 - 暑熱対策に関する実態調査
結論(先に要点)
株式会社いけうちの調査によると、施設園芸の生産者の約7割が過去5年間に高温被害を繰り返し経験しています。この高温は、作物の生理障害や出荷量減少に加え、作業者の熱中症など、生産と労働環境の両面に深刻な影響を与えています。今後の対策としては「細霧・ミスト装置」への関心が最も高く、環境制御設備の重要性が示されています。特に冬春イチゴのような特定の作物では、残暑期の育苗管理が収穫に直結するため、高温対策が経営に不可欠です。
この記事のポイント
- 直近5年間で高温の影響を「毎年のように受けている」と回答したのは48%、「複数年で影響を受けたことがある」は22%でした。
- 合わせて70%もの生産者が、特定の年だけでなく複数年にわたる高温被害を経験しています。
- 「高温による生理障害(生育への悪影響)の増加」が49%で最多でした。

施設園芸における高温被害の実態
株式会社いけうちが実施した施設園芸生産者86件へのアンケート調査により、高温による影響が深刻であることが明らかになりました。
■高温被害の繰り返し経験
- 直近5年間で高温の影響を「毎年のように受けている」と回答したのは48%、「複数年で影響を受けたことがある」は22%でした。
- 合わせて70%もの生産者が、特定の年だけでなく複数年にわたる高温被害を経験しています。
■作物、出荷、作業への影響
高温は、作物だけでなく、出荷状況や作業者の健康にも広範な影響を与えています。
- 植物への影響
- 「高温による生理障害(生育への悪影響)の増加」が49%で最多でした。
- 経営への影響
- 「出荷量の減少」が65%と最も多く、「規格外品・不良品の増加」が50%でした。
- 人・作業への影響
- 「熱中症または体調不良の発生」が56%、「作業時間帯の制限・変更」が50%に上り、労働環境への影響も顕著です。
■冬のイチゴ生産への影響
夏の高温は、夏に収穫する作物だけでなく、冬春に収穫されるイチゴの生産にも大きな影響を与えています。
- イチゴ生産者の48%が「毎年のように高温の影響を受けている」と回答。
- 植物への影響では、「開花不良・着果不良(花が咲かない、実がならないなどの問題)」が57%を占めています。
- 促成栽培(時期を早めて栽培すること)のイチゴでは、夏から残暑期にかけての育苗や花芽分化(花になる芽ができること)の管理が非常に重要です。この時期の暑さ対策が、後の収穫量や品質に直結します。
今後の高温対策と検討状況
生産者は、現在の対策だけでなく、将来を見据えた新たな対策の導入を検討しています。
- 導入・更新実績のある対策
- 「遮光カーテン(日光を遮るシート)」40%
- 「バイオスティミュラント剤(植物の生理機能を活性化させる物質)」38%
- 「遮熱剤・遮光剤」35%
- 「循環扇・送風機」33%
- 今後検討したい対策
- 「細霧・ミスト装置(微細な霧で冷却する装置)」が42%で最も関心が高く、冷却や換気など、ハウス内の環境を直接調整する設備への関心が見られます。
- 次いで「被覆資材の更新(ハウスの屋根などを覆う材料の改善)」24%、「遮熱剤・遮光剤」23%、「換気扇・外気導入システム」21%が上位でした。
株式会社いけうちの提案
同社は、単に温度を下げるだけでなく、どの時期に、どの作物で、何を守りたいのかを整理した上で高温対策を検討することが重要だと指摘しています。遮光・遮熱で熱の流入を抑え、換気で熱や湿気を排出し、必要に応じて冷却を組み合わせる複合的な対策が求められています。細霧冷房も、ハウスの構造や換気、湿度などの条件に応じて効果が異なるため、農場ごとの状況に合わせた検討が必要です。同社は、多機能細霧システム「CoolPescon®」などを通じて、施設園芸の環境改善を支援しています。
調査概要
- 調査名: 施設栽培の『暑さ対策』に関するアンケート
- 調査対象: 株式会社いけうちと過去5年間に接点のあった施設園芸生産者
- 調査方法: インターネットアンケート
- 調査期間: 2026年5月15日~6月7日
- 有効回答数: 86件
- 調査主体: 株式会社いけうち
参考リンク
#施設園芸#暑熱対策#高温被害#農業DX#ミスト冷房#イチゴ栽培#調査レポート
参考リンク
PR TIMES運営者情報

