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売り方2026/7/17

従業員の感情を動かし行動を促す「インターナルコミュニケーション」の実践事例

結論(先に要点)

企業理念や方針を従業員に伝えるだけでは行動変容は難しいとされています。本記事では、従業員の感情に訴えかけ、自発的な行動を促すインターナルコミュニケーション(IC)の実践事例として、味の素、KCJ GROUP、東レの3社の取り組みを紹介しています。各社はパーパスと個人の志の重ね合わせ、現場の感動を原動力にする工夫、経営と現場をつなぐ施策などを通じて、単なる情報伝達に留まらない「行動を生む設計」としてのICを展開していることが明らかになりました。

この記事のポイント

  • 専任組織の設置: 2024年には、人事部内に「Our Philosophy共感推進グループ」を設置。「浸透」ではなく「共感推進」という名称にこだわることで、従業員への押し付けではなく、自発的な共感を促しています。
  • 「My Purpose」の言語化: 従業員一人ひとりが人生で何を大切にしたいかを言語化する「My Purpose」のワークショップを実施。個人のパーパスと会社のパーパスの重なりを見出し、行動につなげることを促しています。
  • 経営層による実践: 社長や執行役員が自らMy Purposeを作成・発表することで、従業員に本気で取り組む姿勢を示しています。My Purposeは個人目標発表会やキャリア面談でも活用され、共通言語化が進んでいます。
従業員の感情を動かし行動を促す「インターナルコミュニケーション」の実践事例

企業が理念や方針を示しても、それだけで従業員の行動が変わるとは限りません。経営メッセージを伝え、制度を整えても、現場の納得や共感がなければ、組織の中に新しい動きは生まれにくいものです。

2026年6月23日に開催された「インターナルコミュニケーション・デイ 2026 Summer」のパネルディスカッションでは、「感情が動き、行動が変わる〜組織を動かすICの実践〜」をテーマに、味の素、KCJ GROUP、東レの3社の事例が紹介されました。これらの事例からは、インターナルコミュニケーション(IC)を単なる情報発信ではなく、従業員の感情を動かし、行動につなげるための設計として捉える視点が見えてきました。

会社のパーパスと個人の志を重ねる味の素

味の素グループは、「アミノサイエンスで人・社会・地球のWell-beingに貢献する」というパーパスを掲げています。このパーパスを従業員に「自分ごと」として捉えてもらうため、同社では以下の取り組みを行っています。

  • 専任組織の設置: 2024年には、人事部内に「Our Philosophy共感推進グループ」を設置。「浸透」ではなく「共感推進」という名称にこだわることで、従業員への押し付けではなく、自発的な共感を促しています。
  • 「My Purpose」の言語化: 従業員一人ひとりが人生で何を大切にしたいかを言語化する「My Purpose」のワークショップを実施。個人のパーパスと会社のパーパスの重なりを見出し、行動につなげることを促しています。
  • 経営層による実践: 社長や執行役員が自らMy Purposeを作成・発表することで、従業員に本気で取り組む姿勢を示しています。My Purposeは個人目標発表会やキャリア面談でも活用され、共通言語化が進んでいます。

現場の感動を従業員の原動力にするKCJ GROUP

キッザニアを運営するKCJ GROUPでは、「現場の強みを最大のレバレッジにする」ことをICの基盤としています。子どもたちが職業体験を通して勇気を振り絞り、挑戦し、やり遂げる姿が従業員のモチベーションの源泉となっています。

  • 「General Meeting」の開催: 年2回、全スタッフが参加する会議で全社方針を共有し、コンセプト「エデュテインメント(学びとエンターテイメントの融合)」を体感する場を提供しています。
  • 現場発の改善提案: 半期で約800件もの提案が集まる仕組みを運用し、現場の声を吸い上げています。顧客満足に関わる「感動指数」を全社KPIに設定し、現場の価値を全社で共有しています。

経営と現場をつなぎ、挑戦を可視化する東レ

創業100周年を迎えた東レは、多様な事業、職種、地域を抱える中でICを展開しています。2023年度以降は「経営層と社員のコミュニケーション」と「挑戦を生み出す機会・機運づくり」を軸に新たな施策を展開しています。

  • ライブ配信番組「リアルトーク」: 社長が全国の拠点を訪れて現場社員と対話する様子をライブ配信し、経営層と社員の距離を縮めています。
  • 表彰制度「はじめの一歩賞」: 成果だけでなく、挑戦のプロセスに焦点を当てる表彰制度。規模や成功・失敗を問わず、自発的な挑戦を可視化し、応援する文化を醸成しています。

理屈だけでは人は動かない

パネルディスカッションでは、「伝えているのに動かなかった瞬間」についても議論されました。KCJ GROUPの宮本氏は、コロナ禍でのオンラインプログラム立ち上げの際、論理的な説明だけでは従業員の共感を得られなかった経験を語っています。しかし、オンラインならではの価値(施設に来られない子どもたちへの体験提供)が理解されるにつれて、従業員の受け止め方も変化したといいます。これは、正しさや必要性を説明するだけでなく、従業員が大切にしている価値を尊重し、新しい挑戦の意味を共有することの重要性を示しています。

これからのICに必要な視点

3社の取り組みに共通するのは、ICを「伝える」ための活動にとどめず、「行動を生む設計」として捉えている点です。従業員を受け手としてではなく、意味を解釈し、共感し、行動する主体として捉えることで、理念や方針が単なる情報ではなく、行動の原動力となるといえるでしょう。エンゲージメントスコアだけでなく、個別施策ごとに目的を明確にし、狙った変化が起きたかを振り返る視点も重要です。

参考リンク

#インターナルコミュニケーション#従業員エンゲージメント#組織開発#企業文化

運営者情報

藤ノ木洋史

藤ノ木 洋史

株式会社クリアナレッジ 代表取締役 / セールスライター

商品を変えずに「売り方」だけで売上を伸ばす仕組みを作ることを得意としています。

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