広告2026/8/31
広告が“受け入れられる瞬間”を捉える新指標「広告受容度」の可能性
結論(先に要点)
情報過多な現代において、広告の「量」だけでなく「質」が重要視されています。博報堂が開発した新指標「広告受容度」は、テレビCMの放送枠が持つ「視聴者が広告を受け入れやすい状況・タイミング」を定量化し、広告効果の最大化を目指します。クリエイティブの要素を除外し、メディア接触パターンそのものが持つ影響値を抽出することで、生活者の「モード」を捉え、ターゲット層ごとに広告が受け入れられやすい時間帯を特定。これにより、広告主は長期的なファン形成やブランドイメージ向上に繋がる「スロー・アドバタイジング」も実現可能になります。
この記事のポイント
- 現代のメディア環境では、単にリーチを広げるだけでは認知獲得に繋がりづらく、接触の質を高めることが重要視されています。
- 1日に4000もの広告に触れる生活者にとって、広告の認知率は低下傾向にあり、「視認」だけでなく「受容」が求められています。
- 広告が無理なく受け入れられる状況やタイミングを的確に捉えるアプローチへの転換が必要です。

広告の「質」を高める新指標「広告受容度」
■広告を取り巻く課題
- 現代のメディア環境では、単にリーチを広げるだけでは認知獲得に繋がりづらく、接触の質を高めることが重要視されています。
- 1日に4000もの広告に触れる生活者にとって、広告の認知率は低下傾向にあり、「視認」だけでなく「受容」が求められています。
- 広告が無理なく受け入れられる状況やタイミングを的確に捉えるアプローチへの転換が必要です。
■博報堂が開発した「広告受容度」とは
博報堂は2025年3月、テレビCMの効果測定における新指標「広告受容度」を開発し、次世代型広告モデル「TV AaaS」(広告主の投資効率を最大化するソリューション)に組み込みました。
この指標のポイントは以下の通りです。
- 測定方法: 20年間にわたり蓄積された独自のテレビCM定点調査データを活用。
- 分析対象: 曜日、時間帯、番組ジャンルから「視聴者が広告を受け入れやすい状況・タイミング」を高度な統計解析で定量化。
- 特徴: クリエイティブ(広告内容)の要素を除外し、メディア接触パターンそのものが持つ生活者への影響値を抽出します。これにより、テレビCMを見ている生活者の心理状態、つまり「モード」を捉えることができます。
■広告受容度の具体例と効果
「広告受容度」の検証により、ターゲットの属性によって広告を受け入れやすい時間帯が大きく異なることが判明しました。
- 例: 20代男性の場合、仕事モードの日曜夜は広告受容度が低いですが、リラックスしている土曜朝は高くなる傾向が見られました。
- メリット: ターゲットが受け入れやすい広告枠を特定できるため、ブランド好意度を損なうリスクを減らし、広告主にとって納得感のあるプロモーションが可能です。
「スロー・アドバタイジング」の重要性
近年、企業の宣伝部門の役割が変化し、短期的な認知獲得だけでなく、長期的なファン形成やブランドイメージ、信頼構築を重視する傾向が強まっています。
- ファスト・アドバタイジング: 認知獲得など短期的な成果を狙う広告運用。
- スロー・アドバタイジング: 信頼や真正性(本物らしさ)をゴールにする広告運用。運用型広告の効率性だけでなく、生活者がどんなモードの時に広告に触れれば暮らしを豊かにできるかという視点が重要です。
「広告受容度」のような指標は、既存の効率的な広告運用に新たな視点を加え、接触の質を高めることで、「スロー・アドバタイジング」の実現に貢献すると期待されています。
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