売り方2026/9/13
土壌の乾湿繰り返しがCO2放出を増大させる原因を解明
結論(先に要点)
気候変動による豪雨や干ばつなどの極端な気象現象は、土壌の乾湿(乾燥と湿潤)を繰り返させ、これが土壌からの二酸化炭素(CO2)放出量を大幅に増大させることが判明しました。特に、土壌中に埋没している過去の腐植層(埋没腐植層)では、金属と有機物の結合(活性金属―有機物錯体)が分解されることが、このCO2放出増加の主要因であることが示されています。この研究成果は、将来の気候変動における地球の炭素循環予測の精度向上に貢献すると期待されます。
この記事のポイント
- 実験の結果、乾湿繰り返しによって土壌からのCO2放出量が大きく増大することが明らかになりました。
- 特に、埋没腐植層では、CO2放出の増加量が土壌中の微生物(微生物バイオマス)の量による増加をはるかに上回ることが確認されました。
- このCO2放出の増大は、これまで土壌中の炭素を安定化させると考えられてきた「活性金属―有機物錯体」と呼ばれる成分の分解が促進される可能性が示されました。

研究概要
新潟大学、九州大学、岡山大学などの共同研究グループは、土壌の乾湿繰り返しが二酸化炭素(CO2)放出に与える影響について研究を行いました。地球上の土壌から微生物分解によって放出されるCO2の量は、人間活動によるCO2排出量の約5倍にもなるため、気候変動が土壌のCO2放出にどう影響するかを理解することは非常に重要です。
研究手法と成果
■乾湿繰り返し実験
北海道で採取された表層土壌と、過去の火山灰堆積によって埋もれた埋没腐植層(過去の表層土壌)を用いて、室内培養実験が実施されました。この実験では、気候変動下で頻発するとされる極端な乾燥と湿潤の繰り返し(乾湿繰り返し)が土壌に与える影響を検証しました。
■CO2放出の増大
- 実験の結果、乾湿繰り返しによって土壌からのCO2放出量が大きく増大することが明らかになりました。
- 特に、埋没腐植層では、CO2放出の増加量が土壌中の微生物(微生物バイオマス)の量による増加をはるかに上回ることが確認されました。
■原因の解明
- このCO2放出の増大は、これまで土壌中の炭素を安定化させると考えられてきた「活性金属―有機物錯体」と呼ばれる成分の分解が促進される可能性が示されました。
- 活性金属―有機物錯体とは、土壌中の金属イオン(鉄やアルミニウムなど)と有機物(腐植質など)が結合したもので、有機物が微生物によって分解されにくくする役割を持っています。
- 乾湿繰り返しがこの結合を破壊することで、安定化されていた有機物が分解されやすくなり、結果としてCO2放出が増加すると考えられます。
今後の展望
本研究成果は、気候変動下での炭素循環予測、ひいては地球環境変化の将来予測をより正確にするための重要な知見となります。
参考リンク
運営者情報

