三菱電機、駅務員のシフト作成を省力化する「デジタル作業ダイヤ」プロトタイプ開発
三菱電機が、駅務員の複雑なシフト作成を支援し業務負荷を軽減する「デジタル作業ダイヤ」のプロトタイプを開発しました。鉄道業界特有の勤務体系や駅務員の希望、急な欠勤時の代務調整にもAIで対応し、シフト作成時間を最大5分の1に短縮できる可能性が実証実験で示されています。2027年までのサービス提供開始を目指し、今後はバス・タクシーなどの交通機関やホテル、警備など交代勤務のある事業者への展開も視野に入れています。
この記事のポイント
- 駅務員の勤務体系・ルールに即したAIによる自動シフト作成
- 複雑な勤務体系やルール、駅務員のシフト希望、駅間の応援など、多様な条件をAIが考慮し自動でシフトを作成します。
- 急な欠員時の迅速かつ公平な代務調整

三菱電機株式会社は、鉄道事業者の駅務省力化を目指す「駅務DXソリューション」の一環として、駅務員のシフト作成を効率化する「デジタル作業ダイヤ」のプロトタイプを開発しました。
開発の背景
駅務員の勤務シフトは、夜間宿泊を含む24時間体制や日勤、早番、遅番など多岐にわたります。さらに、泊まり勤務後の非番といった鉄道業界特有のルールに加え、個々の駅務員の希望も考慮する必要があるため、シフト作成には多大な時間と手間がかかります。また、急な欠勤者が出た際の代務者調整も大きな負担となっていました。
従来のシフト作成は手作業が中心で属人化しやすく、汎用品のシフト作成ツールでは鉄道業界特有の複雑な勤務体系に対応できない点が課題でした。
「デジタル作業ダイヤ」の特長
三菱電機が鉄道分野で培った知見とAI技術を活用し開発した「デジタル作業ダイヤ」には、以下の特長があります。
- 駅務員の勤務体系・ルールに即したAIによる自動シフト作成
- 複雑な勤務体系やルール、駅務員のシフト希望、駅間の応援など、多様な条件をAIが考慮し自動でシフトを作成します。
- 急な欠員時の迅速かつ公平な代務調整
- 急な欠勤が発生した場合、直近の代務回数などの勤務実績データに基づき、AIが代務者候補を速やかに選定します。
- 特定の駅務員に負担が集中しないよう公平性を確保し、代務調整に関わる駅務員の業務負荷や心理的負担を軽減します。
実証実験とその結果
沖縄都市モノレール株式会社および西日本鉄道株式会社、株式会社西鉄ステーションサービスの協力のもと、ユーザーエクスペリエンス(UX)と機能評価の実証実験が行われました。
- 実施場所
- 沖縄都市モノレール那覇空港駅、県庁前駅、てだこ浦西駅事務所
- 西鉄福岡(天神)駅事務所
- 実験期間
- 沖縄都市モノレール: 2025年3月3日~5月31日、2025年12月15日~2026年2月28日
- 西鉄: 2025年9月1日~11月30日
- 評価項目
- シフト作成機能、代務調整機能
実証実験の結果、勤務体系・ルールに沿った高品質なシフトをAIが自動作成できる点が評価されました。アンケートでは「従来とほぼ同等のシフト割り当てができている」「現場で使う価値がある」といった肯定的な回答が得られ、シフト作成時間が従来比で最大5分の1に短縮できる可能性が示唆されました。また、代務調整機能も心理的負担軽減に有効と評価されています。
今後の展望
三菱電機は、実証実験の結果を踏まえ、2027年までのサービス提供開始を目指し機能強化を進めます。将来的には、バス・タクシーなどの二次交通、空港、ホテル、警備など、交代勤務を行う多様な事業者へのサービス拡大を計画しており、駅を中心とした地域課題の解決に貢献することを目指します。
また、三菱電機のデジタル基盤「Serendie®」を活用し、「デジタル作業ダイヤ」を旅客対応業務など他の駅業務データと連携させ、駅業務全体の省力化・効率化を支援する「駅務DXソリューション」の構築を進めていく方針です。
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