売り方2026/10/2
三井不動産がポケモンと連携し「街全体を舞台化」する新たな街づくり戦略
結論(先に要点)
三井不動産は、ポケモンをテーマにした大規模イベントを日本橋・八重洲で開催し、従来の「場所貸し」から「街の舞台化」へと戦略を転換しています。これは、エンターテインメントを通じた感動体験の創出を目的とし、IPホルダーと直接連携することで、これまで活用が難しかった場所にもファンを呼び込み、街全体の回遊性と収益向上を目指すものです。施設を単なる場所ではなく「体験型メディア」として提供することで、IPホルダーとWin-Winの関係を築いています。
この記事のポイント
- 遊休スペースの価値向上: IPイベントは、ファンが明確な目的を持って来場するため、これまで利用が難しかった裏路地や高層階といったスペースにも人を呼び込むことが可能です。これにより、収益を生み出さなかった共用部や壁面などに新たな価値が生まれます。
- 回遊性の向上: グッズ販売のポップアップストアを行列整理のためにあえて人通りの少ない広いスペースに設けるなど、目的を持った顧客を施設の奥へ誘導することで、館全体の回遊性を高め、テナントの売上にも間接的に貢献します。
- 「世の中の盛り上がり」に合わせた施策: 従来の商業施設の販促活動は、クリスマスや夏休みといった「館の都合」で企画されることが多かったですが、IPホルダーと直接連携することで、彼らのコンテンツ展開のタイミング、すなわち「世の中の盛り上がり」に合わせたプロモーションが可能になります。

三井不動産は、2026年9月9日から、ポケットモンスター(ポケモン)をテーマにした大規模イベント「伝説のポケモンと出会う レジェンドリサーチ in日本橋&八重洲」を開催しています。この取り組みは、同社のIP(知的財産)戦略の一環であり、街づくりの新たな方向性を示しています。
「箱貸し」から「街の舞台化」への転換
三井不動産は、長期経営方針で「エンターテインメントを通じた感動体験の創出」を重点領域と位置づけています。この方針を具体化するため、2024年4月には従来の「商業施設本部」を「商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部」へと改編し、その中に「スポーツ・エンターテインメント事業部」を新設しました。この事業部のミッションは、これまでの「場所を貸す」ビジネスから、IPコンテンツなどと連携して街全体を「体験の舞台」へと変えることです。
- 遊休スペースの価値向上: IPイベントは、ファンが明確な目的を持って来場するため、これまで利用が難しかった裏路地や高層階といったスペースにも人を呼び込むことが可能です。これにより、収益を生み出さなかった共用部や壁面などに新たな価値が生まれます。
- 回遊性の向上: グッズ販売のポップアップストアを行列整理のためにあえて人通りの少ない広いスペースに設けるなど、目的を持った顧客を施設の奥へ誘導することで、館全体の回遊性を高め、テナントの売上にも間接的に貢献します。
IPホルダーとの「直接連携」でWin-Winの関係を構築
三井不動産のIP戦略の大きな特徴は、広告代理店を介さず、IPホルダーと直接連携することです。この取り組みは、2021年に東京ドームがグループに加わったことを契機に、アーティストのプロダクションやプロモーターとの関係構築から始まりました。
- 「世の中の盛り上がり」に合わせた施策: 従来の商業施設の販促活動は、クリスマスや夏休みといった「館の都合」で企画されることが多かったですが、IPホルダーと直接連携することで、彼らのコンテンツ展開のタイミング、すなわち「世の中の盛り上がり」に合わせたプロモーションが可能になります。
- IPホルダーのニーズに応える: 音楽プロモーターやアニメ製作委員会は、アルバムリリースや映画公開、テレビアニメ放映開始といったタイミングでの集中的なプロモーションを求めていますが、その受け皿となる場所は限られています。三井不動産は、MIYASHITA PARKや日本橋の街全体を「体験型メディア」として提供することで、この課題に応えています。
- 新たな収益モデル: 自社アセット(施設)を活用したプロモーションや物販展開を組み合わせることで、単なる会場提供にとどまらず、「街全体で熱量を受け止める」モデルを実現しています。これにより、IPホルダーは最適なタイミングでファンとのエンゲージメントを深めるプロモーションを展開でき、三井不動産は、顧客の買い回り効果、物販ポップアップの売上に応じた歩合家賃、施設壁面などの媒体費を収益として得ています。
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