ビクター系企業が生成AI活用スタジオ設立、ゲーム・アニメ開発で低コスト化と量産化
エルアンドエル・ビクターエンタテインメントは、生成AIを活用したアニメーション制作とゲーム開発を手がける社内スタジオ「LLVAGS」を設立しました。このスタジオは、少人数で圧倒的なボリュームのコンテンツを低コストで制作し、新規IPの世界観を早期にユーザーへ浸透させることを目指しています。老沼プロデューサーは、社内の各事業部間のシナジー不足を課題と捉え、生成AIが早期参入すべき新たな産業技術と判断しました。大手企業が参入しにくい「AIを使った制作」という領域で、市場のトップを目指します。
この記事のポイント
- エルアンドエル・ビクターエンタテインメントは、生成AIを活用したアニメーション制作とゲーム開発を手がける社内スタジオ「LLVAGS」を設立しました。
- このスタジオは、少人数で圧倒的なボリュームのコンテンツを低コストで制作し、新規IPの世界観を早期にユーザーへ浸透させることを目指しています。
- 老沼プロデューサーは、社内の各事業部間のシナジー不足を課題と捉え、生成AIが早期参入すべき新たな産業技術と判断しました。

エルアンドエル・ビクターエンタテインメントが、生成AI(ジェネレーティブAI)を活用したアニメーション制作とゲーム開発を専門とする社内スタジオ「LLVAGS」を設立しました。このスタジオは、ゲーム・アニメ分野で「圧倒的なボリューム」のコンテンツを低コストで制作し、新規IP(知的財産)の世界観を早期にユーザーに浸透させることを戦略の軸としています。
各事業部を横串で結ぶ生成AI
エルアンドエル・ビクターエンタテインメントはビクターエンタテインメント(JVCケンウッドグループ)のグループ会社として2017年に設立されました。同社は声優・タレントのキャスティングマネジメント、音響収録スタジオ、ライブイベント、ゲーム企画・制作など、幅広い事業領域を手がけています。
プロデューサーの老沼良浩氏は、IT業界での連続起業経験を持ち、同社に在籍7年目となります。老沼氏は、社内の各事業部が独立して動き、シナジー(相乗効果)が生まれていない点を課題と感じていました。
生成AIの普及を新たな産業技術の機会と捉え、2025年4月にはコンテンツ制作における生成AI活用の可能性を社長に提案し、研究開発チームとアライアンスチームを立ち上げました。当初はAIでの制作に対する社内の反発も大きかったものの、同年秋以降、生成ツールの精度向上により商用レベルの制作が可能になりました。社外からの評価が先行し、AIによって仕事が奪われにくい職種の社員が多いこともあり、AI活用を推進しやすい環境にあったと老沼氏は語っています。
低コストで実現する「圧倒的ボリューム」
「LLVAGS」が戦略の軸に置くのは「圧倒的ボリューム」です。例えば、カットシーンのイラスト1枚を外部発注すると20~30万円かかり、100枚には約2000万円が必要ですが、AI生成では大幅なコスト削減が可能です。1日3本のショートムービーを継続配信できる制作体制を組むことも可能だといいます。
老沼氏は、「手描きでは赤字になるほどの量を、低コストで出せる。AIを活用して圧倒的な物量をつくることで、新規IPの世界観を早い段階からユーザーに浸透させることができる」と述べています。
同社は、生成AIの活用が大手企業でハレーション(波紋)を起こしやすいため参入しにくい領域である点に、むしろ強みを見出しています。ゲームやアニメ業界では既存の大手が市場を占めていますが、「AIを使った制作」という分野ではまだトップが定まっていないという見立てから、この新しい領域でのリーダーシップを目指しています。
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