売り方2026/7/16
カンヌに見る「インハウス化」の進展とエージェンシーの役割再考
結論(先に要点)
「カンヌライオンズ2026」にて、企業の「インハウス化」(広告制作などを自社で行うこと)が加速し、クリエイティビティの主語が広告代理店からブランド側へと移行している潮流が明確になりました。ブランドによる応募作品数が増加し、CEO/CMOフォーラムも開催されるなど、ブランド側の存在感が高まっています。しかし、広告代理店は世の中の視点からブランド価値を翻訳し、世の中に届ける役割を担っており、その存在意義は問い直されつつも不可欠であると筆者は指摘しています。
この記事のポイント
- Inside Out: In-house or Agency? (インサイド・アウト:インハウスか、エージェンシーか)
- Stop Working in Advertising. To Engage You Need to Entertain. (広告の仕事をやめろ。エンゲージするには、エンターテインせよ)
- Creative Business Transformation Lions — Behind the Jury (クリエイティブ・ビジネス・トランスフォーメーション部門 審査員セッション)

カンヌライオンズ2026に見るインハウス化の潮流
2026年6月にフランス・カンヌで開催された「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2026」では、アワード作品だけでなく、トークセッションの内容にも注目が集まりました。 電通のストラテジックプランナーである筧将英氏は、特に「クリエイティビティとは誰のものなのか」というテーマに焦点を当てています。
今年のカンヌライオンズで筧氏が注目した3つのセッションは以下の通りです。
- Inside Out: In-house or Agency? (インサイド・アウト:インハウスか、エージェンシーか)
- Stop Working in Advertising. To Engage You Need to Entertain. (広告の仕事をやめろ。エンゲージするには、エンターテインせよ)
- Creative Business Transformation Lions — Behind the Jury (クリエイティブ・ビジネス・トランスフォーメーション部門 審査員セッション)
これらのセッションから、「クリエイティビティの主語が、エージェンシー(広告代理店)からブランド(企業)へと静かに移りつつある」という潮流が読み取れます。これは、企業が広告制作などを自社で行う「インハウス化」の進展を示唆しています。
ブランド側の存在感とエージェンシーの役割
カンヌライオンズ2026では、ブランド側の企画者の存在感が顕著でした。
- 全応募作品のうち、ブランドによる応募が前年の8%から10%に増加。
- 約400のブランド担当者が集まり、「CEOフォーラム」「CMOフォーラム」も開催。
- 新設された「Creative Brand部門」の初代グランプリがAB InBevに贈られたことは、この潮流を象徴しています。
筆者は「広告代理店の価値は、クライアントの内側ではなく外側にいること」であると考えています。世の中の視点からクライアントの価値を解釈し、世の中に橋渡しする存在として、広告代理店は依然として重要な役割を担っていると指摘しています。
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