売り方2026/9/3
エーザイとドコモ、「dヘルスケア」で自覚症状のない不眠症潜在層を動かす施策
結論(先に要点)
エーザイは、自覚症状のない不眠症の潜在層へアプローチするため、NTTドコモの「dヘルスケア」アプリを活用した疾患啓発活動を実施しました。一方的な情報提供ではなく、日常的なアプリのミッションにクイズやアンケートを組み込むことで、ユーザーの「気づき」を促し、約2割が医療機関の受診を検討するほどの意識変容を実現。この取り組みは、個人の健康意識向上だけでなく、家族のウェルビーイング(心の健康)向上にも波及効果をもたらしました。
この記事のポイント
- 日常動線への溶け込み: テレビCMや動画広告のような割り込み型ではなく、ユーザーが自らの意思で参加するdヘルスケアの「ミッション」に啓発コンテンツを組み込みました。
- クイズとアンケートによる能動的な学び: 事前アンケートで自身の状態を客観視させ、コラムとクイズで不眠症に関する正しい知識を提供。誤答時には解説で学び直しを促すことで、理解を深めました。
- 行動変容を促す仕組み: 事後アンケートで自身の行動選択を意識させ、「自分ごと」として次のステップを検討する流れを構築しました。

自覚症状のない不眠症潜在層へのアプローチ
エーザイは、国内に約3000万人いるとされる不眠症の潜在層(予備軍)に対し、医療機関の受診を促す疾患啓発活動(DTC)に課題を抱えていました。これまでの情報提供サイトや広告では、不眠症を「自分ごと」として捉えさせるのが難しく、行動変容までを可視化できていませんでした。
NTTドコモ「dヘルスケア」を活用した“気づき”の顧客体験
この課題に対し、エーザイはNTTドコモが提供する健康管理アプリ「dヘルスケア」に着目しました。dヘルスケアは月間アクティブユーザー(MAU)約120万人を誇り、特に40代以上の健康関心層が多く利用しており、不眠症のリスクが高まる年齢層と合致していました。
施策のポイント
- 日常動線への溶け込み: テレビCMや動画広告のような割り込み型ではなく、ユーザーが自らの意思で参加するdヘルスケアの「ミッション」に啓発コンテンツを組み込みました。
- クイズとアンケートによる能動的な学び: 事前アンケートで自身の状態を客観視させ、コラムとクイズで不眠症に関する正しい知識を提供。誤答時には解説で学び直しを促すことで、理解を深めました。
- 行動変容を促す仕組み: 事後アンケートで自身の行動選択を意識させ、「自分ごと」として次のステップを検討する流れを構築しました。
確かな意識変容と波及効果
この施策により、以下の成果が得られました。
- 高いサイト送客率: ミッションからエーザイの疾患啓発サイトへ遷移したユーザーは1カ月で約17万人に上り、送客率は80%を超えました。
- 行動意欲の向上: 事後アンケートでは98%のユーザーが「睡眠改善のために何らかのアクションをとる」と回答しました。
- 受診検討者の増加: 日中に眠気や疲労感を感じているユーザーのうち、事前アンケートで約7割が「相談するほどの症状ではない」と回答していた層が、事後アンケートでは半数(全体ミッション参加者の約2割)が医療機関への受診を視野に入れる結果となりました。
- 家族への波及: ユーザー自身だけでなく、「両親と不眠症について会話をしたい」と回答した40代~50代が多く、家族全体の健康課題として自分ごと化される効果も見られました。
エーザイとドコモは、今回の連携を通じて、自覚症状のない潜在顧客に対し、データとプラットフォームを掛け合わせた最適な体験設計を提供することで、「人を動かすコミュニケーション」を実現しました。この手法は、ヘルスケア領域のみならず、幅広い業界のマーケティング課題に応用可能なモデルとして期待されています。
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