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事例2026/9/9

花王とドコモ、1億超の会員基盤とPOSデータ連携で販促を高度化

結論(先に要点)

花王グループカスタマーマーケティング、マツキヨココカラ、NTTドコモの3社が連携し、ドコモのdポイント会員基盤と小売店のPOSデータを活用した販促戦略を展開。一過性のキャンペーンに終わらず、データに基づいたPDCAサイクルを高速で回すことで、新規顧客の獲得、休眠顧客の掘り起こし、既存顧客のロイヤル化、さらに利益率の確保と店頭の差別化を同時に実現しました。この取り組みは、単なる値引き販促を超え、顧客育成のサイクルを確立し、広告領域への応用も視野に入れています。

この記事のポイント

  • 課題: 多くの企業がプロモーションの同質化や利益率確保の難しさに直面。キャッシュレス決済による販促が日常化する中、顧客と店頭を結ぶタッチポイントとしてデジタル決済が重要視されていました。
  • 連携の目的: 「利益率の確保」と「小売が求める店頭の差別化」を同時に実現すること。
  • dポイントの活用: KCMKはマツキヨココカラとのパートナーシップ強化のため、dポイント施策に注目。dポイントとマツキヨココカラポイントの同時付与は顧客の来店動機となり、dポイントでしか誘引できない顧客層へのアプローチが可能となりました。
花王とドコモ、1億超の会員基盤とPOSデータ連携で販促を高度化

花王・ドコモ・マツキヨココカラの共創戦略

花王グループカスタマーマーケティング(KCMK)、マツキヨココカラ&カンパニー(マツキヨココカラ)、NTTドコモ(ドコモ)の3社は、一過性の販促に留まらない共創戦略を展開しています。この戦略は、ドコモの1億を超えるdポイント会員基盤と小売流通のPOS(Point of Sale:販売時点情報管理)データを連携させることで、効果的な顧客アプローチと利益率の確保を目指しています。

取り組みの背景と狙い

  • 課題: 多くの企業がプロモーションの同質化や利益率確保の難しさに直面。キャッシュレス決済による販促が日常化する中、顧客と店頭を結ぶタッチポイントとしてデジタル決済が重要視されていました。
  • 連携の目的: 「利益率の確保」と「小売が求める店頭の差別化」を同時に実現すること。
  • dポイントの活用: KCMKはマツキヨココカラとのパートナーシップ強化のため、dポイント施策に注目。dポイントとマツキヨココカラポイントの同時付与は顧客の来店動機となり、dポイントでしか誘引できない顧客層へのアプローチが可能となりました。
  • 施策へのシフト: マツキヨココカラの統合1周年を機に、KCMKは全流通横断で展開していた他社キャッシュレス決済施策から、マツキヨココカラにおいてはdポイント施策へ軸足を移しました。

データ活用による販促戦略

2023年に始まった3社の取り組みは、2024年に年間8回、2025年には年間16回と規模を拡大しました。

  • 施策内容:
    • 年3回の「マストバイキャンペーン」: KCMK対象商品を一定額購入で20%還元。
    • 「先着クーポン施策」: 特定カテゴリーや個別ブランドに限定。
  • 費用対効果の最大化:
    • 還元率を20%に抑えつつ、過去データに基づき「より売上に直結する顧客層」へアプリやレシートでクーポンを効率的に送付。
    • 来店頻度の高いロイヤル層、新規顧客、過去施策参加後に来店が減った層などを抽出し、追加インセンティブを付与。
    • 年末や新商品発売時期などの需要期に合わせて計画的に施策を実施。
  • POSデータとdポイントデータの連携: マツキヨココカラのPOSデータとドコモの1億超の会員基盤から得られる購買トラッキングデータを連携させることで、施策ごとの効果や課題を数値で明確に可視化し、次の戦略立案に活かしています。

高速PDCAと成果

  • 直商流体制: KCMKとドコモの2社間での密な連携体制により、スピーディーな意思決定と計画・実行・振り返りのPDCA(Plan-Do-Check-Action:計画・実行・評価・改善)サイクルを実現。
  • 仕組み化: 効果検証のフォーマット化とマーケティングプロセスの自動化により、高頻度な施策実施と再現性の高いマーケティングオペレーションを構築。
  • ロイヤル化: 継続的なデータ蓄積と改善を通じて、より精緻な顧客理解と顧客育成のサイクルを確立。dポイント活用は、値引きに頼らず購買機会を創出することでブランド価値の毀損を防ぎ、ブランドロイヤルティの担保にも寄与しました。
  • 実績:
    • 新規顧客数および売上が増加。
    • マストバイキャンペーンの条件達成者数は回を重ねるごとに増加し、2025年6月には数十万人を突破。
    • dポイントを提示してKCMK商品を購入したユニークユーザー(UU)数は約100万UUにのぼる。
  • 表彰: この取り組みは2025年、ドコモのSingle ID Marketingの社内表彰プログラムで総合グランプリを受賞。新規・休眠顧客獲得における「収益性 × データ活用 × 横展開性」が評価されました。

今後の展望

3社は販促領域に留まらず、dポイントのデータを活用した広告領域への展開も模索しています。ドコモの「Single ID Marketing」により、市場調査、顧客分析、広告配信、効果検証までを一貫してカバーし、商品開発やブランド戦略への活用も視野に入れています。

KCMK × マツキヨココカラ × ドコモ 協業のポイント

  • データ連携: 1億超のドコモ会員基盤と小売のPOSデータを掛け合わせ、施策ごとの効果・課題を数値で明確化。需要期に合わせた計画的な施策展開により、過度な還元に頼らない利益率確保を実現。
  • 顧客育成: 新規顧客の流入と既存顧客の買い上げ拡大を両立させるプロモーション。ポイント還元をフックに生活者を巻き込みながら顧客をロイヤル化する好循環を創出。
  • PDCAの高速化: データ分析プロセスのフォーマット化やマーケティングプロセスの自動化により、振り返りを次回施策へ迅速に活かせる体制を構築。スピーディーなPDCAで再現性の高いマーケティングオペレーションを実現。
  • 次世代販促モデル: 単発型プロモーションから脱却し、Single IDに紐づく継続的な顧客接点を基盤に、汎用性と横展開の可能性を備えた販促コミュニケーションモデルを確立。既存顧客のロイヤル化に加え、従来の店頭販促ではリーチしにくかった「未来の潜在顧客(特に若年層)」へのアプローチも可能に。

参考リンク

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運営者情報

藤ノ木洋史

藤ノ木 洋史

株式会社クリアナレッジ 代表取締役 / セールスライター

商品を変えずに「売り方」だけで売上を伸ばす仕組みを作ることを得意としています。

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