カンヌライオンズ2027の“顔”を予想!AB InBevからIKEAへ、クリエイティブの変化とは
カンヌライオンズ2026では、飲料大手AB InBevが3度目のCreative Marketer of the yearを受賞しました。彼らの強みは「クリエイティブが自然と生まれる組織作り」にありますが、AIの急速な普及により潮目が変わると筆者は予測しています。次に注目されるブランドとして、イケア(IKEA)が挙げられており、特に人生の深いテーマを描いた「Made for life」シリーズなどが評価されています。AI時代のクリエイティブの変化が、今後のカンヌライオンズの顔ぶれに影響を与えるでしょう。
この記事のポイント
- Audio部門 ゴールド: 「Sleep Talk Reviews」
- Media部門 シルバー: 「IKEA Preowned / Second-hand marketplace」
- Creative Effectiveness部門 シルバー: 「Hidden Tags」

6月26日までフランス・カンヌで開催された「カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル2026」において、電通のクリエイティブディレクター嶋野裕介氏が現地での参加体験に基づき、要注目トピックと次回の予想について語っています。
絶対王者AB InBevの強みとAIによる変化
「バドワイザー」や「コロナ」といったブランドを持つアンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)は、カンヌライオンズ2026で史上初の3度目となる「Creative Marketer of the year」を受賞しました。また、新設されたCreative Brand部門でもグランプリを獲得しています。
彼らの強みは、単に優れたクリエイティブを生み出すだけでなく、「クリエイティブなものが自然と生まれやすい組織を構築している」点にあります。その根幹を支えるのが、世界共通の行動指標「Creative Spectrum」という独自の社員評価システムです。これにより、社員一人ひとりの行動や判断基準が統一され、アウトプットの質が向上するという好循環が生まれています。
しかし、筆者はAIの急速な普及が今後のクリエイティブの潮流を大きく変えると予測しており、AB InBevの独走が続くとは限らないと見ています。
次に注目されるブランドは「IKEA」
筆者が次に、あるいはその次に来る「Creative Marketer of the year」候補として挙げるのは、家具量販店のイケア(IKEA)です。
イケアは過去4~5年にわたり、カンヌライオンズで常に上位入賞を続けており、今年も様々なキャンペーンで受賞を果たしています。
- Audio部門 ゴールド: 「Sleep Talk Reviews」
- Media部門 シルバー: 「IKEA Preowned / Second-hand marketplace」
- Creative Effectiveness部門 シルバー: 「Hidden Tags」
特に注目されるのは、彼らのブランドづくりの「軸」です。Film部門でゴールドを受賞した「Made for life」シリーズは、不妊治療中の夫婦や、夜更かしして娘を待つ父親など、人生のディープなテーマをイケアの商品を通して描いています。
例えば、「少し早すぎるベビーチェアを購入した夫婦が、不妊治療の薬を収納ボックスに忍ばせている」というストーリーは、商品の機能性と人生のリアルな感情を穏やかに結びつけ、人々の心に深く響く内容となっています。
また、Print Publishing部門でブロンズを受賞した「Wherever life goes」も、1枚の写真と商品名だけで強いメッセージを伝えることに成功しています。
これらの事例から、イケアは手法の巧みさだけでなく、人生に愚直に向き合うブランドとしての姿勢が評価されており、AI時代におけるクリエイティブの新たな方向性を示唆していると言えるでしょう。
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