俺の株式会社
なぜ立ち食いなのに、高級フレンチに行列ができるのか?
俺の株式会社と創業者 坂本孝氏
高級店の味を、居酒屋並みの価格で提供し、まったく新しい飲食体験を創り出す
- ⚔立ち食いスタイルへの顧客の抵抗感
- ⚔高い原価率を維持するための高回転率の実現
- ⚔一流料理人の確保
高級料理は敷居が高く特定の層しか利用しない、一方で大衆店は品質に不満があるという顧客の不満に応えるため、「高級店の味を大衆店の価格で」という新しいコンセプトが必要です。この両立が難しい課題を解決し、より多くの顧客に日常的な贅沢を提供するために、従来の飲食店の常識を覆す大胆なビジネスモデルへと変えたのです。
| 軸 | Before(変更前) | After(変更後) | |
|---|---|---|---|
Who 売り手 | 特別な日に高級店を利用する富裕層やカップル | 価格に敏感で、本物の味を知るグルメな一般消費者 | |
What 売り物 | 雰囲気やサービスも含む、高価格なコース料理 | 料理そのものの価値に特化した、低価格なアラカルト | |
When タイミング | 記念日などの特別な日 | 仕事帰りや日常の食事として気軽に | |
Where 売り場 | 広々とした空間で、長時間滞在するレストラン | 狭いスペースで、短時間滞在する立ち食い店舗 | |
How 売り方 | 着席し、ゆっくりと食事と会話を楽しむ | 立ち食いで、純粋に料理を味わうことに集中する |
飲食業界では、高級店は広い空間と丁寧なサービスで高単価を実現し、大衆店は低価格と効率性で集客するというのが一般的だった。高級な料理を手頃な価格で日常的に楽しむという選択肢は、ほとんど存在しなかった。
「俺の」シリーズの成功により、「高級料理を手頃な価格で」という新しい市場が創出された。立ち食いというスタイルで回転率を高め、高い原価率を可能にするビジネスモデルは、多くのフォロワーを生み、飲食業界全体の常識を揺るがした。
導入前の課題
高級レストランは客単価が高く敷居も高いため、利用シーンが限られていた。一方で、低価格な飲食店は多いものの、料理の質や食材の面で満足できないケースもあった。この「高級店の味」と「居酒屋の価格」という二つの要素を両立させる、新しい飲食店の形態が求められていた。
採用したアプローチ
「一流の料理人が高級食材を使い、圧倒的な低価格で提供する」というコンセプトを立案。これを実現するため、常識外れの発想として「立ち食い」スタイルを導入。店舗の滞在時間を短くし、客の回転率を極限まで高めることで、食材に高い原価をかけられるビジネスモデルを構築した。
他社が真似する際の学び
- •トレードオフの関係にあると思われた要素(品質と価格)を、発想の転換で両立させる。
- •ビジネスモデルの根幹(回転率)に手を加えることで、新たな価値創出が可能になる。
- •圧倒的なコストパフォーマンスは、それ自体が強力なマーケティングツールとなる。
おわりに
「俺の」シリーズの成功は、業界の常識を疑い、制約を逆手に取ることで新たな価値が生まれることを証明しました。顧客が本当に求めている価値は何かを見極め、そこに資源を集中投下する戦略は、あらゆるビジネスに応用可能な教訓と言えるでしょう。
